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Soul Eyes

黒顔羊のデジタルフォトギャラリー#2です。光蜥蜴(ヒカリトカゲ=光と影)や錆びたもの・滅びゆくものが大好きです。 自分の魂の目に感光したものは何でも撮ります。


by Black Face Sheep

ALL CREATURES GREAT AND SMALL

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『10年に一度の大寒波』が来襲し、寒がりの私は戸外に出る根性がなく、インドア写真が増加中です。
さて、インドアで何を撮るか・・・ネタを絞れずに困ります。(;・∀・)

こういう時、エキサイトブログの「募集中のテーマ」が、良いヒントになることがあります。^^
エキブロのテーマで写真を撮って応募すると、時々実益もありましてね、お正月写真で1,000円ギフト券をもらいましたよ。

今回は『もし無人島に1冊だけ本を持って行くとしたらどんな本ですか?』に応募します。
なかなか難しいテーマですが、私だったら、上の赤ベアさんが抱えている本を持っていくかな。

"ALL CREATURES GREAT AND SMALL"、総ページ数552ページ。
読みごたえたっぷりですから、退屈しないと思います。^^



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この"ALL CREATURES GREAT AND SMALL"は、英国の獣医さんだったジェームズ・ヘリオット先生が書いた短編集です。
日本語に訳すと「大きなものから小さなものまで、すべての生き物たち」って感じでしょうか。

邦訳は「ヘリオット先生奮戦記(ハヤカワ文庫、大橋吉之輔訳)」です。
上下巻の二分冊で、"ALL CREATURES GREAT AND SMALL"のすべてのエピソードが翻訳されています。

馬や羊、牛や豚などの家畜から、猫や犬などのペットに至るまで、さまざまな動物たちとその飼主が登場します。
動物が好きな人だったら、きっと気に入っていただける短編集だと思います。
私はヘリオット先生の大ファンで、20年ほど前にウェブサイトを作りました・・・詳細はこちらです。

ジェームズ・ヘリオット先生は、イングランド北部の北ヨークシャーのサースク(Thirsk)に住んでいました。
この短編集の舞台は、1930年代から50年代にかけての古き良き時代、豊かな自然に囲まれた北ヨークシャーの農業地帯です。

おかしな出来事、愛すべき動物たち、素朴な人々との交流を、ユーモアと感動に満ちた物語に描き出しました。
今では世界中にファンがおり、特に英国・米国の動物好きなら、みんな知っているんじゃないでしょうか。



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この"ALL CREATURES GREAT AND SMALL"、552ページの大作になってしまった理由は、アメリカの読者です。(;・∀・)
アメリカの版元が、分厚い本が好きなアメリカ人気質を考慮して、英国版の3つの短編集の合本にしてしまったんだそうです。
この編の事情、Blackface Sheep's Websiteに詳しく書いてありますので、ご興味がありましたらどうぞ。^^

さて、上の写真の"ALL CREATURES GREAT AND SMALL"の扉に、シールが貼ってあるのがお分かりになりますでしょうか。
そこには"Purchased from The World of JAMES HERRIOT"「ジェームズ・ヘリオットの世界にて購入」と書いてあるんですよ。^^



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こちらの赤いドアが、"The World of JAMES HERRIOT"「ジェームズ・ヘリオットの世界」と言う名前の資料館です。
サースクのかつてのヘリオット先生の獣医院が、今は世界中からヘリオット先生のファンがやってくる聖地になっています。

さて、ここからの写真は、2003年に英国北ヨークシャーで撮った写真が続きます。
ヘリオット先生が住んでいたサースクの街や、彼が働いていた北ヨークシャーががどんな場所だったか、紹介していきます。^^

わずか320万画素のコンデジ、Canon PowerShot S30で撮った写真を、Adobe Lightroomにてポストプロセスしなおしました。
このカメラに搭載されていた1/1.8センサーの素性はかなり良く、ポストプロセス耐性が意外に高くて感動しました。



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ヘリオット先生の獣医院「スケルデールハウス」の裏庭です。
小さくてもランドスケープ庭園になってるあたりが、さすが英国ですね。



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「スケルデールハウス」の書斎で、新聞を読むヘリオット先生もどきです。
これ、とってもよくできていて、2001年にここを初めて訪問した際には、かなり驚きましたよ。^^



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サースクの古いパブ&レストラン、ゴールデン・フリース「金羊毛」です。
ヘリオット先生の作品の中で「ドローバーズ・アームズ」として登場します。



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2003年にサースクで宿泊した時は、このゴールデン・フリースでディナーを食べました。
ビーフステーキです・・・たっぷりと野菜が付いてくるのは、英国の田舎のレストランのお約束ですね。

この頃はまだ禁酒禁煙してませんから、地元のビールを飲んでました・・・"Black Sheep Best Bitter"だったかな。^^
後ろに見えるのはソルト&ペッパー、ボトルはモルト・ビネガー、この三点セットも英国パブのお約束です。

「英国の食事はマズい」とよく聞きますが、確かにパッケージツアーで安レストランに連れていかれた人はそう思うかも。
でも、英国の田舎にはミシュランスターを獲得したガストロパブも多く、モダブリが美味いんです。
この「金羊毛」のレストランも、評価が厳しめなTripadvisorで4星を獲得しており、なかなかに美味しいディナーでした。

サースクは、ヘリオット先生の物語に登場する『ダロウビー』と言う街のモデルの一つです。
ダロウビーは、その他にリッチモンドミドルハムレイバーンの街も参考にしてヘリオット先生が創造した架空の町です。

ちなみに人気英国TVドラマの『ダウントン・アビー』のお屋敷も、このサースクの南の”Eldmire”近辺に存在するようです。
ドラマのロケに使われたのは、ハンプシャーのハイクレア・カースルではありますけどね。

ダウントン村内の道標に、"9 MILES from RIPON and 6 MILES from THIRSK"って書いてあったんですよ。
エルドマイアの近所には、廃駅になった"Sessay"駅跡もあり、これが「ダウントン駅」だったのではないかと。(;・∀・)



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2匹の黒顔羊が草を食んでいるのどかな風景です。
ここはスウェイルデイルを過ぎて、アーケンガースデイルに入ってすぐのあたりです。

「デイル"Dale"」とは、こういう起伏の緩い『谷』のことを指すようです。
ヘリオット先生は、ノース・ヨークシャー・デイルズ が大好きでした。



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後にヘリオット先生の物語がBBCでTVドラマ化されたとき、ダロウビーの街として登場しました。
背景に見える山はアドルブロー、標高481メートルしかないのに、堂々とした山容に見えるのが不思議です。



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カバーデイルにあるコールドバーの村です。
カバーデイルはヘリオット先生の大好きなデイルの一つです。
彼のホリデイコテッジも、近所のウェスト・スクラフトンにありました。



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カバーデイルのイースト・ウィットンで宿泊したベッド&ブレックファスト、「ブレイスウェイト・ホール」です。
ここはナショナル・トラストが管理している17世紀の農家で、古い建物や調度が素敵でした。
2003年当時は一人使用で一泊35GBP(約5,600円)、しかも豪華朝食付き、超お値打ちなB&Bでした。



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こちらはウェンズリー・デイルのカーパービィにあるパブ&イン、"The Wheatsheaf"「麦束館」です。
このウィーツシーフは、ヘリオット先生が新婚旅行で宿泊した宿で、先生によれば料理のとても美味しいホテルなんだとか。
私も2003年にこの宿に一泊しましたが、居心地も良く、料理も美味しい宿でした。



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リーヴォー・アビイは、ヨークシャーのみならず、イングランドでもっとも美しい修道院の廃墟の一つです。

1132年に作られた北イングランドで初めてのシトー派の大修道院でしたが、ヘンリー8世の修道院解散令で1538年に破壊されました。
リーヴォーはヘリオット先生と奥さんのヘレンにとって、独身時代のお気に入りのデート場所だったそうです。



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サースクから東のサットン・バンクに向かう途中にある小さな集落、フェリックスカークにある聖フェリックス教会です。
ヘリオット先生が亡くなった時、本葬はヨーク大聖堂で行われましたが、密葬はこの小さな教会で行われたそうです。



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ヘリオット先生のオリジナル作品です。
私が彼の作品を読み始めた20数年前には、邦訳がまだ無い作品も結構ありました。
原書を読むことで、あまり役に立たない獣医用語を覚えました。(;・∀・)



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こちらは邦訳されたヘリオット先生の作品です。
たくさんの本を書いたヘリオット先生ですが、最初期の作品群が一番好きです。
なので、一冊だけ持って無人島に行くとしたら、米国版の"ALL CREATURES GREAT AND SMALL"ですね。



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こちらは映像化されたAll Creatures Great and Smallです。
右上は劇場映画版、なんとアンソニー・ホプキンスが主役三人衆の一人を演じています。
左下は1978年~1990年にBBCで放映されたTVドラマのDVDです・・・このTVドラマは当時、英国では凄い人気だったとか。

うれしいことに、2020年になって、"All Creatures Great and Small"は、再度、英国のチャンネル5でTVドラマ化されました。
アマゾン・プライムは、BBCドラマの紹介は熱心ですが、チャンネル5はあまりないようです。

日本でもこの2020年度版の"All Creatures Great and Small"を放映してくれないかなあ・・・アマプラさん、よろしくです。
予告編の動画をご紹介しておきます。↓










愛知県みよし市三好ヶ丘にて
SONY α7c
SIGMA 105mm F2.8 DG DN MACRO
Canon PowerShot S30 (4~15枚目)
Adobe Lightroom Classic



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ブログテーマ:もし無人島に1冊だけ本を持って行くとしたらどんな本ですか?
Commented by j-garden-hirasato at 2023-02-02 06:54 x
先生もどきは、精巧な人形ですか。
管理人さんがが成りきっているわけではないのですね。
本物の人間かと思いました。
お庭もしっかり管理されていて、素敵です。
イギリスにも、いつか行ってみたいですね。
Commented by voyagers-x at 2023-02-02 06:57
おはようございます ‼️
分厚い本は、読む前からボリュームに圧倒されて、読破できるか心配になります。
暑さを忘れてのめり込める内容かどうかの判断は、比較的早期に決断してしまう傾向が僕にはあります。
その辺が、おそらくそれほど読書家ではない僕の読書の傾向という事なのでしょうね。
面白く感じたら、ずっと本を読んでる方ですが、面白く感じるまで相当時間が掛かります ^_^;
Commented by 3740s at 2023-02-02 07:45
おはようございます。

建物、内庭の綺麗なことに驚きましたね。
大事に住まいを使用している。
それらの心の豊かさを感じました。
Commented by getteng at 2023-02-02 08:08
blackfacesheep2さん
これは素晴らしい黒面羊さんの物語でもありますね。
今更ながら、貴兄の記憶力、本や写真の整理整頓、保管維持は抜群です。
その内、貴兄の家が資料館になる可能性がありますね。
Commented by blackfacesheep2 at 2023-02-02 13:08
j-garden-hirasato さん、こんにちは。^^
はい、先生もどきは、精巧な人形なんですよ、訪問するたびに違うポーズ、違う場所にいます。
英国に行くならレンタカーを利用することをお勧めします、日本人には違和感のない左側通行、右ハンドルです。^^
Commented by blackfacesheep2 at 2023-02-02 13:10
voyagers-x さん、こんにちは。^^
読書好きな人は、分厚い本を見ると嬉しくてしょうがないと言いますね、特に好きな作家の作品はそうです。^^
逆に薄い本を見ると、フラストレーションがたまることがありますね、映画でも1時間半以下だとつまらないです。(-_-;)
Commented by blackfacesheep2 at 2023-02-02 13:12
3740sさん、こんにちは。^^
英国の建物は古いものを大切に使っている印象ですね、100年前の建物はザラにあり、500年以上前の建物も多いです。
どれもきれいに使って居住しており、伝統を守る姿勢にはいつも感銘を受けます。^^
Commented by iwamoto at 2023-02-02 13:12 x
こういう、内容豊富な記事を読むと、爆撃された感じです。
こちらは浅学を恥じるのみ、みたいな。
こういう時に、ろくに分かってないことを書いて墓穴を掘る歳ではないので(笑)
小さく絞って。
あちらの人は「黄金の羊の毛皮」の話が大好きですよね。
あの精鋭を集めた冒険旅行、胸が躍るのでしょう。
Commented by blackfacesheep2 at 2023-02-02 13:14
gettengさん、こんにちは。^^
私が黒顔羊をハンドルネームとしている理由は、黒い顔の羊が住む北ヨークシャーが大好きだからですね♪
いえいえ、記憶力は落ちる一方ですよ、アルツハイマー型認知症になる日も遠くないのではないかと。(-_-;)
Commented by blackfacesheep2 at 2023-02-02 13:25
iwamoto 師匠、こんにちは。^^
あ葉は、役に立たないことばかり知ってるんですよ、お金儲けには一切つながらない知識ばかりです。(-_-;)
「黄金の羊の毛皮」の話はギリシア神話ですが、あまねく欧州中にひろまってますね、金羊毛のシンボルを見ることは多いです。
Commented by lapie-fr at 2023-02-02 14:10
今朝のイッチ好きは、ヌメロ5
もうもう、英国
随分前に友人の友人宅へ
1週間でしたが、裏庭がこんな感じ
もう、その夫妻は引っ越して、、、

懐かしい

Commented by floreta2 at 2023-02-02 15:04
こんにちわん。
あー そうだっ‼エキサイト賞おめでとうございます\(◎o◎)/!
拝見しましたよ〜 凄いですよね 1000円でも‼
私なんかかすりもしなかったもの〜
めっちゃ頑張ったのにぃぃぃ〜。
いつもなーんにも当たんない
って 
まてよ

昔大昔にエキサイトさんから 何かの賞で
コンデジ、Canon PowerShot が 当たってました(笑)
ちゃんと衣装も変えられて凄くかわいいんですよ
使い方忘れてる‼今度使ってみよっと。。
Commented by izumi at 2023-02-02 19:05 x
今日の記事は、Dr.ヘリオットの歴史でもあるけど、黒顔羊さんの歴史でもありますね。 一つの事に興味を持たれて、これだけの経験や知識を収集されるのは並大抵のことではありませんね。素晴らしいです。
それに、ハンドルネームのblckfacesheepの由来もなんとなくわかりました。ずっとどういう由来のネーミングなのかなって思っていたんです。(笑)
私もイギリスは大好きで、ウェールズの古いお城に泊まりに行ったこともあるのですが、黒顔羊さんにはとても及びません。 とても興味深く読ませていただきました。
Commented by blackfacesheep2 at 2023-02-02 19:35
らぴさん、こんにちは。^^
あはは~、英国の住宅って、小さくても素敵なお庭がついているところが多いですよね。
フランス式の整形庭園も素敵ですが、私は性格がアバウトなので、英国式のランドスケープ庭園の方が好みです。^^
Commented by blackfacesheep2 at 2023-02-02 19:37
こんにちは。^^
おお、エキサイトからCanon Power Shotをもらいましたか、それは素晴らしい、おめでとうございます♪
このポストで紹介している英国の写真がCanon Power Shot S30で撮ったものですね、電源が馬鹿になってもう使えませんが・・・
Commented by blackfacesheep2 at 2023-02-02 19:49
izumi さん、こんにちは。^^
あはは、そうなんですよ、私のハンドルネーム「黒顔羊」の由来は、北ヨークシャーのSwaledale Sheepなんです。^^
ウェールズには素敵な古いお城がたくさんありますね、私もLlangoed Hallでアフタヌーンティーを楽しんできましたよ。
Commented by milletti_naoko at 2023-02-13 23:15
この記事を読んで初めて知ったのですが、小説もドラマもとてもすてきな作品であるようですね。積読の本がたまっているので、まずはドラマからでもぜひ見てみたいなあと思いました。(一冊読み始めるとすべて読みたくなってしまう作家であるような)イタリアでは第一シリーズがすでに放映されたようですが、わたしの家では当時映らないチャンネルだったようです。またいつか見られる機会があれば、ぜひ見てみたいなあと思いました。ご紹介をありがとうございます。
by blackfacesheep2 | 2023-02-02 05:00 | Still Life | Comments(17)