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Soul Eyes

黒顔羊のデジタルフォトギャラリー#2です。光蜥蜴(ヒカリトカゲ=光と影)や錆びたもの・滅びゆくものが大好きです。 自分の魂の目に感光したものは何でも撮ります。


by Black Face Sheep
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蘇る古き良きロジナール

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テディベアさんが見つめているこのボトルは何でしょうか・・・
RodinalとかAdox Adonalと言う文字が読めますね。
実はこのボトルに入っている液体を使うことで、私のフィルム写真が改善されましたのでレポートします♪


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Agfa Rodinalとは、ドイツのアグファ社が1891年に発売した世界最古の市販現像液です。
ロジナールの特徴はシャープな描写にあります・・・銀粒子を溶解する成分が一切入っていません。

Kodak D-76やフジフイルムのミクロファインは、銀粒子を溶かして目立たなくしているので微粒子現像薬と呼ばれます。
ロジナールは銀粒子を溶かさないのでシャープです・・・でも、粒状が目立ちます。



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ADOX ADONALとは、2004年からアドックス社で作られている現像液で、その成分はアグファ・ロジナールと同じです。
つまり、19世紀の処方で21世紀に製造されている現像薬です。
ロジナールの名称がライセンス上の問題となる国があるようで、それを避けるために、アドナールの名称も使っているようです。

3年前の2018年の春に、古めかしいオルソクロマチックフィルムを現像するために購入しました。
使ってみて確かにシャープなのはメリットだと思いました・・・でも、粒状がやたら目立つんですよ。(;・∀・)
粒状の点では有利なはずの中判6x6で使っても、ツブツブが目視できるほどでした。

よりフィルムサイズの小さな35mm判で使うと、さらに粒状が気になります。
本来は滑らかなトーンのNeopan Acrosですら、粒状の粗い写真となってしまいましたよ。
こういう粗粒子系の写真が好きな人には向いていますが、私は苦手で次第に使わなくなり、放置状態となっていました。

先日、私の常用現像薬であるKodak D-76のストック溶液を使い切ってしまいました。
じゃあ、3年前に買ったロジナールで現像してみるか・・・でも、あの粒状はちょっと辛いなあ、何か良い方法はないか・・・
ネットでロジナールの微粒子化対策を検索してみましたよ・・・その結果、「静止現像」がヒットしました。



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「静止現像」とは、攪拌をしないで放置しておくだけの現像方法です。
普通、白黒フィルムを現像するときは、最初に30秒~1分連続攪拌し、あとは1分ごとに5~10秒の攪拌をします。

例えば11分が所定の現像時間であるフィルムなら、11回攪拌することになります。
現像ムラを防ぎ均一の濃度に仕上げるためにフィルム現像タンクを倒立攪拌するのですが、これが結構面倒です。

静止現像は、この攪拌をほとんどせずに、放置しておく現像方法です。
ゆっくりと現像を進行させるために、濃度の薄い溶液に長時間フィルムを浸したままにしておきます。
上のメモは、古いロジナールの現像処方ですが、ここにすでに「原液:水=1:100」の静止現像のレシピが載っています。

この静止現像のメリットは、色々あります。


1.シャープネスが上がる

2.粒子が細かくなる

3.軟調になる(階調が豊かになる)

4.現像ムラが少なくなる

5.現像時間は長くなるが、拘束時間は少なくなる


その理屈は、下記のようなものらしいです。
『静止現像では、ハイライトに接している現像液は、光に反応した銀の粒子が多いために現像が進み、現像力が弱くなる。
シャドー部はその逆で、現像が進まないために現像力が落ちずに時間をかけて現像が進む。
つまり、静止現像ではハイライトは現像が進みにくく、シャドーは現像が進むので、微粒子で軟調なネガができる。』



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そんなわけで、先日Nikon F3で撮ったILFORD DELTA 100をAdox Adonalで1:100静止現像してみました。
このネガの写真を見ると、パッと見ただけで階調が豊富なのがお分かりになると思います。

確かに粒子は目立つと言えば目立ちますが、以前に比べたらまるで気になりません。
むしろ、フィルム写真らしさが感じられて、好ましいぐらいの粒状です。

シャープネスはD-76よりずっと上です。
階調も、ディーペストシャドウからハイエストライトまで極めて豊富、現像ムラも少ないです。

う~む、ロジナールの静止現像恐るべし・・・
その写真は私のフィルム写真ブログでご確認ください。




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ロジナールの静止現像、ドイツ・オールスターズでもチェックしてみました。
この二眼レフカメラはRollei 2.8Cで、1952年製造ですから今年69歳、いまだに元気で現役続行中です。
このフィルムはRollei Retro 80s、ドイツのMACOがOEMしており、そのオリジナルはAGFA AVIPHOT PAN 80です。

カメラはブラウンシュヴァイクのローライ社製、フィルムはハンブルクのマコ社製、現像薬はレバークーゼンのアグファ社製・・・
ううむ、「どいっちゅらんと・ゆーばー・あーれす」です。
マイスタージンガー」も聞こえて来そうな、ゲルマンスピリットみなぎるチームです。

現像してみたら、シャープネスも粒状も階調も言うことなし、ロジナール静止現像偉大なり、でした。
Rollei Retro 80S、かつて使ったときはハイコントラストで面食らった記憶があるのですが、静止現像なら無問題でした。
ただ、このRollei Retro 80Sは使用期限切れフィルムで、乳剤が劣化して汚物を残すフィルムでした。(;・∀・)

それにしても、ロジナールの寿命は異様に長いです。
3年前に購入したAdonalでも、無問題で現像できてしまいますからね。
Kodak D-76だと、溶解したストックは、不透明なポリ瓶に入れておいても半年が寿命だと言われています。

ところがロジナールは寿命が長く、数年ぐらいは楽勝、10年を超えてもOK、ほぼ永久にもつ、と聞いたことがあります。
"Rodinal Shelf Life"でググってみると、興味深い情報がたくさん見つかります。^^

米国在住の写真家が、100年前のロジナールを使って現像に挑戦していて驚きました。
その100年前のロジナールで現像された可愛らしいタキシードキャットの写真を見て、感動しました。

閑話休題、私のAdonalのボトルにはまだ450㏄ぐらい入ってます。
使い切るまでに何年かかるんだろう。(;・∀・)
昨年は135判を9本、120判を7本撮りましたから、Adonalの年間必要量に換算すると、(9x3cc) + (7x5cc) = 62ccです。

つーことは、あと7年ぐらいは現像薬を買わなくても良いってことになるんでしょーか♪
Adonal、500ccで2,700円ぐらいですから、驚異的な経済性です。^^




愛知県みよし市三好ヶ丘にて
SONY α7 III ILCE-7M3
SIGMA 70mm F2.8 DG MACRO Art
Adobe Lightroom Classic



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Commented by j-garden-hirasato at 2021-02-18 05:43
ご自身で現像もなさるのですか。
頭が下がります。
ご自宅は、暗室完備ですか。
ズクなしの自分には、
考えられない作業です。
アグファ社、懐かしい響きです。
一時期、使ったことがありました。
Commented by NullPointer09 at 2021-02-18 08:10 x
現像中の液温管理はどうされているのでしょう。
私の場合は、一般的な現像液の他に、単剤を自分で調合する特殊な
現像液を使っていました。
この現像液の特徴は、現像時の温度管理が比較的緩やかなこと。
本番現像の前に、パトローネの外にあった部分のフィルムを幾つか
に分けてテスト現像し、適正濃度が得られた現像時間で本番の現像
を行います。
この現像液と現像方法の組合せだと、15~25℃の範囲つまり室温
のままで適正現像が行えました。
Commented by getteng at 2021-02-18 08:28
blackfacesheep2さん
自ら現像、スキャンをおやりになるなんて素晴らしい!
ずいぶん手間を要するので写真に愛しさも格別なんでしょうね。
とにかく、凄いことですよ。
Commented by voyagers-x at 2021-02-18 10:11
おはようございます ‼️
モノクロ濃し階調命ですね
現代のデジタルの技術でも太刀打ちできないですね
いつの時代か、そんな事を忘れ去り人々は何食わぬ顔でデジタルばかりを使って
film時代を知らない人間が沢山いるようになるのでしょうね
昔の写真を貴重なものとしてみるような時代がやって来そう
Commented by jyuujin at 2021-02-18 10:37
我が写真の会でも、こうした現像を経験した人は
1~2名になってしまいました、北旅はもちろん経験はないです
こうした写真の楽しみ方は、楽しかったでしょうね、ご自分の
工夫で、仕上がりを調整できるって醍醐味ですよね・・・
こうした経験をされた方が厳しく画質にこだわるのが納得ですね
Commented by iwamoto at 2021-02-18 15:49 x
そりゃ、化学の方が電気より面白いですね。
ましてやディジタルなんて。
一生分の研究資材なのですね。

なんと、フルトヴェングラーでしたか。
端正というか、謳わない感じですね。
Commented by windmark-sakura at 2021-02-18 19:13
自宅で暗室作業までやるblackfacesheepさんは凄いですね・・・。
自宅現像、デジタル世代の自分にとってはかなりハードルが高いです。

Agfa、自分はフィルムに関しては好きなメーカーです(^^)
現像液も販売してるんですね。

それにしてもblackfacesheepさんはローライフレックスも所有してるんですね(^^♪
羨ましいです。
自分は本家二眼レフ、ローライフレックスのクセノタールが高くて買えないので
パチモンのオリンパスフレックスを買って物欲を我慢したクチです(^_^;)

ここ最近は中判のフィルムの価格も高くなってきているので、おいそれと撮れなくなってることもあって
完全に家の中の置物と化してしまいましたが(;・∀・)
Commented by blackfacesheep2 at 2021-02-18 20:01
j-garden-hirasato さん、こんにちは。^^
フィルムは現像だけで引き延ばしはしないので、暗室は不要、いつもキッチンで現像しています。
アグファのフィルム、ネガカラーだとこってりとした発色が印象的でした。
Commented by blackfacesheep2 at 2021-02-18 20:03
NullPointer09 さん、こんにちは。^^
静止現像の場合の液温管理は、私の居室に持って来て、室温計を眺めてます。
あまり細かいことができないアバウトな性格ですが、静止現像はそれでも問題なく仕上がるようでありがたいです。
Commented by blackfacesheep2 at 2021-02-18 20:04
getteng さん、こんにちは。^^
8年ぐらい前に、自家現像に切り替え、現像代が節約できて助かっています。
また微妙な調整ができるのも、趣味として面白いところですね♪
Commented by blackfacesheep2 at 2021-02-18 20:06
voyagers-xさん、こんにちは。^^
色がないので、白から黒までの明度の階調しかないですもんね、軟調ならどうにでも料理できます。
フィルムをあえて使うのは、デジタル時代にレコードプレーヤーで音楽を聴くのに似た酔狂さがありますね。(;・∀・)
Commented by blackfacesheep2 at 2021-02-18 20:08
北の旅人さん、こんにちは。^^
フィルム時代でも、ほとんどのフォトグラファーはラボ任せが多かったと思います。
今は現像代が高くなりましたし、街中の30分現像もなくなったので、やむを得ず自家現像になりました。
Commented by blackfacesheep2 at 2021-02-18 20:11
iwamoto 師匠、こんにちは。^^
デジタルは効率の点でははるかにアナログより優秀ですが、面白いのはアナログですもんね。
あはは、誰のマイスタージンガーにしようか悩みましたが、フルトヴェングラーがドイツっぽいような気がしました。
Commented by blackfacesheep2 at 2021-02-18 20:13
windmark-sakuraさん、こんにちは。^^
フィルム現像までなら暗室は必要ないんですよ、引き延ばしをやる人は必要でしょうけどね。
フィルムの自家現像は、暗所でリールに巻いてしまえば、あとは台所でもできますので、ぜひお試しください。^^
Commented by floreta at 2021-02-18 20:51
こんばんは♩
暗室で浮き上がってくる楽しさはもう至福の時でした。
今はもう学校へはいけないのでデジタルで楽しんでいます。
家電量販店で最近蓄音機を見つけましたが買う事悩んでいまーす!
ブブプ
Commented by blackfacesheep2 at 2021-02-18 23:39
floretaさん、こんにちは。^^
おお~、フィルム写真の暗室作業やったご経験がありますか、元写真部かな、凄いです~♪
うちにも何百枚のレコード盤がありますよ、アナログにはデジタルにない楽しみがありますよね。^^v
by blackfacesheep2 | 2021-02-18 05:00 | Hardware | Comments(16)