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Soul Eyes

黒顔羊のデジタルフォトギャラリー#2です。光蜥蜴(ヒカリトカゲ=光と影)や錆びたもの・滅びゆくものが大好きです。 自分の魂の目に感光したものは何でも撮ります。


by Black Face Sheep

You Must Believe In Spring

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豊田市を南北に還流する矢作川の河畔にはたくさんの樹木が植えられています。
そのほとんどは落葉樹なので、真冬の今は鋭い枝だけが目立つ寂しい眺めになっています。

武漢肺炎の世界的な蔓延で、閉塞感の漂う冬となっています。
でも、やがて、いつの日かはこの状況も好転するだろうと信じています。

新緑が芽吹き、花が咲く春は必ずやってくると思いたいです。
そう、"You Must Believe In Spring"「春を信じなければならない」ですね。

先日、ブロ友のmarucox姉さんのポストでこの曲が紹介されていました。
簡単に影響されて私も上げてみることにしましたよ、marucox姉さん、猿真似ごめんなさい。m(__)m

この"You Must Believe In Spring"は、1967年に公開されたフランス映画『ロシュフォールの恋人たち』の劇中歌でした。
カトリーヌ・ドヌーヴが歌う「デルフィーヌの歌」がそれです・・・実際は吹替でアンヌ・ジェルマンの歌です。






この映画、カトリーヌ・ドヌーヴと、彼女の実の姉であるフランソワーズ・ドルレアックが双子役で出ていました。
ミュージカルで、どっちかと言えばハッピーエンドのコメディでした。

この曲、新しい出会いに期待する感じの歌詞なんですが、英語タイトルには少々悲劇的な翳りを感じます。
フランソワーズ・ドルレアックは、この映画の撮影直後に交通事故で亡くなってしまいましたが、それでかなあ。

英語に翻訳されたバージョンを、トニー・ベネットがビル・エヴァンスの伴奏で歌っています。
「今は冬だけど、やがて春はやってくる・・・そして愛も・・・それを信じよう」と言うラブソングになっています。

いずれにせよ、ミシェル・ルグランの作った旋律は、超美メロです。
陰影に富んだコード進行がJAZZミュージシャンに気に入られ、この曲を吹き込んだピアニストはたくさんいます。


ビル・エバンスもピアノトリオでも吹き込んでいますね。こちらをお聴きください。
スコット・ラファロ亡き後、一番長くトリオに在籍したエディ・ゴメスとの最後の録音で、これを演奏しました。
別れを予感させる寂しさにあふれた名演ですが、個人的にエディは饒舌すぎると感じています。
エディのバッキングは音選びも好きなんですが、ソロになると無駄に指が動いて少々うるさいんですよ。(-_-;)
YouTubeをそのまま貼れば良いのですが、エキブロの仕様で1ポストに一つしか貼れないのでリンクに飛ばしました。


私はむしろ、ドン・フリードマンの演奏の方が好きです。こちらをお聴きください。
ドンフリのピアノは、ビル・エヴァンスをさらに硬質にした感じの、ストイックなリリシズムが持ち味です。
ここでのベーシストは、チェコの天才、ジョージ・ムラーツです。
現存するベーシストの中でもトップクラスの演奏技術を持ちながらも、あえて控えめなバッキングに徹しています。
黒子に徹してドンフリのピアノを引き立て、なお光るセンスの良さ、ベーシストかくあれかし、と思います。


もちろん、作曲者のミシェル・ルグランも演奏しています。こちらをお聴きください。
ルグランは作曲家でもありますが、JAZZピアニストでもあり、マイルス・デイヴィスと共演もしてますね。
フランス人らしいエスプリを感じさせる耽美的なソロピアノが素敵です。
それにしても、彼の作るメロディはどうしてこんなに美しいのでしょう・・・
シェルブールの雨傘華麗なる賭けおもいでの夏・・・希代のメロディメイカーですね。


エディ・ヒギンスもやってます。こちらをお聴きください。
エディ・ヒギンスって、ヴィーナス・レーベルで有名になったピアニストですね。
このレーベルはオーディオマニアが喜ぶ高音質、ジャケット写真は美女、選曲はスタンダード中心、つまりオヤジ向けです。
ベースはジェイ・レオンハート、芸術家と言うより職人です・・・ここでの演奏は手堅くて、悪くないです。
このトリオ、よく言えば円熟、悪く言えばスリルがない演奏が多く、この曲もカクテルピアノ直前の甘々です。(;・∀・)


ニールス・ヘニング・エルステッド・ペデルセンもこの曲をやっています。こちらをお聴きください。
ペデルセンはデンマーク人のベーシストで、若いころから超絶テクニシャンとして知られました。
この曲をベテランピアニストのディック・ハイマンとデュオで演奏しています。
このピアニスト、私は知らなかったのですが、ビル・エヴァンスやドンフリと違ってスイング系のようですね。
ピアノソロは凡庸で、主役はベースのペデルセン、ソロはかなり弾きまくってますが、エディのようにうるさくはないです。


なんかピアニストと言うより、ベーシスト談義のようになってしまいました。
私のベーシストの好みは、まずビートが重いこと、音の選択にセンスがあることを重視します。
黒人ならダグ・ワトキンス、サム・ジョーンズ、リチャード・デイヴィス、ロン・カーター。
白人ならスコット・ラファロ、チャーリー・ヘイデン、デイブ・ホランド、ジョージ・ムラーツ。


ベーシストは、指が動けばいい、ってもんじゃないと思ってます。
ニールス・ヘニング・エルステッド・ペデルセンとサム・ジョーンズの"Little Train"を聴いてみましょう。
音は左側がペデルセン、右側がサムです・・・テーマのペデルセンの粒立ちの良いピチカート、唖然とします。
先発ソロはサム・ジョーンズ、トツトツとしたソロですが、重くて印象的な音を紡いでいます。
後発ソロはペデルセン、そのギターみたいなソロには爽快感さえ覚えます・・・でも、サムのソロほど心に染みないなあ。(;・∀・)




愛知県豊田市 久澄橋付近矢作川河岸にて
SONY α6500
SONY FE 35mm F1.8
Adobe Lightroom Classic



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Commented by getteng at 2021-02-11 09:34
blackfacesheep2さん
今日も暖かそうな春の陽気で嬉しいですが、
花粉は舞い、中共産放射能含みの黄砂が飛来しているようで、
呼吸器の弱い自分にはいい季節ともいえません。
ビル・エヴァンスのピアノは大好きです。
Commented by movin0 at 2021-02-11 10:05
1枚めの枯れた樹木のシルエットの間からの光芒が趣がありますね(^^♪
この時期の木々は寂しさを感じます。
これからだんだんと春になるのを楽しんでいきたいです。
Commented by jyuujin at 2021-02-11 10:33
北旅もJAZZは好きですが、羊さんのJAZZの薀蓄には
舌を巻くばかり、 JAZZ評論家も顔負けですね

小生もビル・エバンスが大好きです、クリアーな音色と
耳に心地よい旋律が、素人好みです(笑)
Commented by iwamoto at 2021-02-11 12:55 x
jazzの世界では、その個人を評価出来て羨ましいことです。
rockの世界ではベーシストは、所属するバンドが有名になれば評価の対象になりますね。
個人が有名でも、例えば、スティングをベーシストとして評価しようとしても無理がありますよね。

音楽史的には、画期的な演奏はたくさんあります。
一緒に演奏はしたくないですが、ジャック・ブルースとか、
全然好きじゃないですが、ビル・グラハムとか。
でも、最も驚愕したのは、永くその名を知らなかったベーシストで、
「ジェイムス・ジェマーソン」という人です。 モータウンクラシックスの。
自分としては興味の無いジャンルですが、その人の存在を知ったときには、跪きたい気持ちでした。
Commented by blackfacesheep2 at 2021-02-11 16:41
gettengさん、こんにちは。^^
愛知県も今日は10度を超えて暖かさが戻ってきましたが、風が強くて体感温度が低かったです。
ビル・エヴァンスのピアノが嫌いだと言う人には少ないですが、いないこともないですね。
Commented by blackfacesheep2 at 2021-02-11 16:42
movin0 さん、こんにちは。^^
葉をすべて落とした枝だけの広葉樹、悲壮感が漂ってますね。
でも、このストイックな姿が好きで、冬になると必ず撮ってますね♪
Commented by blackfacesheep2 at 2021-02-11 16:45
北の旅人さん、こんにちは。^^
あはは、若いころは勉強せず、バンド活動したりJAZZ喫茶へ行ったりの毎日でした。
エバンスは若いころから大好きで、大学浪人中に名古屋公演で生のエバンスを聴けて幸せだったと思っています。
Commented by blackfacesheep2 at 2021-02-11 16:48
iwamoto師匠、こんにちは。^^
JazzとRockは、音楽の評価軸が少々異なりますもんね、グループサウンドか、個人技の集まりか・・・って感じで。
ベースはソロの技量も重要ですが、バッキングのうまさが重要で、私はシブロクでバッキング重視かも。
Commented by windmark-sakura at 2021-02-11 17:32
屋は気川の河川敷でこんなところがあるんですね~。
成長した樹木の枝ぶりも面白いですし、撮影するには穴場的なスポットかもしれませんね(^^♪

この愁いを帯びた冬の西日の光景は、見ていてほっとします(^^)
Commented by blackfacesheep2 at 2021-02-11 19:43
windmark-sakura さん、こんにちは。^^
豊田市の矢作川の河川敷は調整池の機能も持たせてあり、かなり広いんですよね、樹木がたくさん植わっています。
立春も過ぎて、日没時間は徐々に遅くなってきており、明るさも出てきましたね、気温も高く、春を感じます。
Commented by harupita at 2021-02-11 21:15
こんばんは、
愛知県豊田市 久澄橋付近矢作川河岸の
冬の木々たち。
間違いなく新芽は芽吹きまた春は巡ってきますね。
矢作川の河川敷は一頃週末はオールシーズン
いた場所、息子がサッカーしていたので
河川敷のサッカー場で土日は雨でも雪でも当時は
練習していました。
その頃は木々を見ることもなかったけれど
矢作川の河畔は、私のホームみたいな場所です。

色々聴いてきて
シェルブールの雨傘がすごくしみました。
思い出の夏も、youtubeで一つの映画のようですね。

詳しいことは良くわからないけれど美しいメロディですね。
今日 菜の花日記で

黒顏羊さんのブログ勝手にアドレス(愛知牧場の菜の花の)
貼っています。
色々ありがとうございました。菜の花見ることが出来て感謝です。葉流
Commented by blackfacesheep2 at 2021-02-11 21:19
葉流さん、こんにちは。^^
おお、ご子息はサッカー少年でいらっしゃいましたか、じゃあ矢作川河川敷はよく通われたことでしょうね。^^
シェルブールの雨傘は、その歌詞と相まってミシェル・ルグランが作曲した曲の中でも、もっとも心に染みる曲ですね。
by blackfacesheep2 | 2021-02-11 05:00 | Seasonal Image | Comments(12)