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Soul Eyes

黒顔羊のデジタルフォトギャラリー#2です。光蜥蜴(ヒカリトカゲ=光と影)や錆びたもの・滅びゆくものが大好きです。 自分の魂の目に感光したものは何でも撮ります。


by Black Face Sheep
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パリを懸想する光蜥蜴

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よく晴れた晩秋の午後、とても印象的な光と影を見つけたので、思わず撮影してしまいました。
低い高度から射貫くような日差し、透過光でも反射光でも印象的でした。

これらの光蜥蜴は、愛知県の稲沢市にある『荻須記念美術館』で撮影してきたものです。
この美術館は「最もフランス的な日本人」と呼ばれた画家、荻須高徳のためだけに作られた美術館です。
荻須高徳はこの稲沢市に生まれ、東京芸大を卒業後しばらくして渡仏し、その人生のほとんどをパリで過ごした画家でした。

私はエコール・ド・パリの画家が大好物で、その周辺にいた荻須高徳も大好きでした。
今までずっとこの美術館を訪問したいと思いながらも未訪問だったのですが、今回、ある展示会がきっかけで、ようやく訪問しました。

その展示会とは、『特別展 木村伊兵衛 パリ残像』です。
和製カルティエ・ブレッソンと呼ばれたスナップ写真の名手、木村伊兵衛の回顧写真展が、先月末からこの美術館で始まったのです。

 荻須高徳と木村伊兵衛、ともに1901年生まれの同い年だそうです。
キャンバスとフィルム、表現方法は違っても、優れた感性をもつ二人のアーティストが描出したパリを同時に見られてラッキーでした。



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木村伊兵衛の『パリ残像』は、1954年及び55年にカラーフィルムで撮影されたパリのが展示されていました。
彼はパリで写真家アンリ・カルティエ=ブレッソンやロベール・ドアノーらと交流を深め、裏通りや市場などの生活の場を撮影しました。

木村伊兵衛と言えば、『居合抜き』とも言われた速写が有名です。
目の前に現れた印象的なシャッターチャンスを見逃さず、神経の行き届いた緻密な構図で撮りきる感性に感銘を受けました。

彼がこのパリの撮影で使ったカメラとフィルムも展示されていました。
カメラはLeica M3、フィルムは富士のASA10のリバーサルフィルムでした。

ASA10はISO10ってことです・・・そんな低感度フィルムを使っても、暗い場所でしっかりと写しているんです。
1/30~1/15秒程度で撮ったとおぼしき動体ブレ写真が少なからずありました。

またネガフィルムよりはるかに露出許容度がシビアなリバーサルフィルムで、瞬時に正確な露出を決定する技術にも驚きました。
木村伊兵衛は撮影技術も天下一品だったのですね。

また、荻須画伯の絵もたっぷりと堪能してきました。
初期はヴラマンクや夭折した佐伯祐三によく似た作風でしたが、後期には独特のタッチでパリの都市風景を描いていたのが印象的でした。

画伯のアトリエも、美術館の内部に再現されていました。
大きな窓が北側に開いていました・・・やはりアーティストは、柔らかい北窓の光を選ぶのですね。

残念なことに、この美術館の内部は撮影禁止でした。
でも美術館の外には素晴らしい光蜥蜴がいっぱい徘徊しており、それらを代わりに撮影してきました。




愛知県稲沢市稲沢町前田365番地8 荻須記念美術館にて
SONY α7 III ILCE-7M3
SONY FE 24-105mm F4 G OSS
Post Processed By Adobe Lightroom Classic



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Commented by j-garden-hirasato at 2019-11-09 06:38
荻須高徳と木村伊兵衛、
お二人とも存じませんでした。
芸術家にとって、パリは別世界なんですね。
いろいろ刺激されそうな展示会のようです。
ちょっと遠いのが残念です。
Commented by NullPointer09 at 2019-11-09 07:08 x
身近なところに『荻須記念美術館』が存在するとは何と羨ましい。
その美術館で木村伊兵衛の作品を観る・・・これは至福のときですね。
木村伊兵衛の作品を特徴付ける要素のなかで、ひとつ取り上げるとすると、
ドアノーの作品にも通じる『慎み』だと、私は思っています。
ASA25のリバーサルまでは経験がありますが、とても手強かったです。
それがASA10のリバーサルであの作品ですものね・・・。
私も必要に応じて高性能な最新機材をとりいれていますが、機材の性能に
甘えているなと反省することが多いです。

昨日の7枚目のお写真の件、テディちゃん以外も全て奥様お手製と本文に
お書きになっていましたね。失礼しました。
Commented by Yuko_PHL at 2019-11-09 08:21
良質の芸術を堪能する秋、良いですね。木村伊兵衛の撮影技術はそんなに素晴らしかったんですね。ストリートフォトだと勢いで撮ってしまいがちですが、ちゃんと計算しつくされた写真、それが巨匠と言われる所以でしょうか。勉強になります。
Commented by jikomannte at 2019-11-09 10:18
私はアンリ・カルティエ・ブレッソン、ロベール・ドアノー、
木村伊兵衛と来て、土門拳(筑豊の子供達の頃の)の順番で
大好きな写真家です。
黒顔羊さんも好きですけども。(;'∀')
Commented by voyagers-x at 2019-11-09 10:43
おはようございます ! !
素敵な光と影ですね
最後の写真は真っ青な空が素敵です
爽快な爽やかな空もいいのだけれど
この写真のような深いブルーもすごく好きです
Commented by iwamoto at 2019-11-09 14:17 x
高校のときの美術の先生が「新制作」だったので、タカノリの画については聞いたことがありました。
彼だけの美術館があるのですね。
で、わたしが次に何を書くかご想像の通りです。
きちんとフランス積みになっていますよね。 これが教養ってモノでしょう。
Commented by blackfacesheep2 at 2019-11-09 18:46
j-garden-hirasatoさん、こんにちは。^^
おそらく、パリの街が芸術家にとって住みやすいんだと思います・・・住人が芸術家に理解があるんでしょうね。
パリはもう30年近く訪れていないですね・・・フランスには行っても、パリにはいかないんです。(-_-;)
Commented by blackfacesheep2 at 2019-11-09 18:49
NullPointer09さん、こんにちは。^^
荻須高徳と木村伊兵衛の作品をいっぺんに観ることができて、まさしく至福の時間を過ごしてきましたよ。
なるほど、ドアノーの作品にも『慎み』ってありますよね、どちらも静かだけど確固たる主張を感じる写真家です。
昨日はこちらこそ失礼しました、ご質問をいただいたので、後から書き加えたものです。
Commented by blackfacesheep2 at 2019-11-09 18:52
Yuko_PHLさん、こんにちは。^^
ネガフィルムだったら少々の露出ミスは無問題ですが、ポジはそうは行かない・・・鬼のような露出感覚を持っていたんでしょうね。
素晴らしい基礎がある上にあのシャッタータイミングとフレーミングですからね、正直魂消ました。
Commented by blackfacesheep2 at 2019-11-09 18:54
純さん、こんにちは。^^
私もアンリ・カルティエ・ブレッソン、ロベール・ドアノー、木村伊兵衛は大好きです。
ストリートフォトグラファーのお手本ですよね、土門拳さんはより社会派、ドキュメンタリー系のフォトグラファーのように感じます。
Commented by blackfacesheep2 at 2019-11-09 18:56
voyagers-xさん、こんにちは。^^
晩秋の午後特有の澄み切った青空でしたね、PLつけてないのにPL装着風の青さでした。
SONYのカメラの発色って、昔に比べると良くなったような気がします。
Commented by blackfacesheep2 at 2019-11-09 18:58
iwamoto師匠、こんにちは。^^
はい、この美術館は稲沢市出身の荻須高徳のためだけの贅沢な美術館なんです。
さすがレンガ建築に詳しいiwamoto師匠ですね、フランス積みになってるのを確認なさったとは♪
Commented by windmark-sakura at 2019-11-09 20:04
木村伊兵衛展やってるんですね。
スナップの名手の代名詞みたいな人ですし、さらっとさり気なく撮るスタイルは自分には真似できません(^_^;)

今日の写真、秋の陽射しを浴びて作り出される光と影に
どことなく晩秋のものがなしさも感じますね。
Commented by blackfacesheep2 at 2019-11-09 20:58
windmark-sakura さん、こんにちは。^^
モノクロームが多い印象の木村伊兵衛さんなんですが、カラーも素敵で、ブレッソンと言うよりソール・ライターっぽかったです。
秋の午後の強烈な陽射し、真夏の苛烈な光とは違って哀愁が漂っていますよね。
Commented by photofloyd at 2019-11-09 22:50
近くに素晴らしい美術館があって良いですね。
芸術は全て自ら沸いてくるモノで無く・・自分の感動するものを知ることから自己を磨き上げそして個性を作り上げてゆくモノと思いますので・・・荻須高徳と木村伊兵衛と、大いに又一つ上へのきっかけを捕まれたのではないでしょうか。
Commented by blackfacesheep2 at 2019-11-09 23:21
photofloydさん、こんにちは。^^
稲沢とか一宮とか、愛知県の北西部ってあまり出かけないエリアなんですが、わざわざ行った甲斐がありました。
荻須高徳と木村伊兵衛、どちらも良かったんですが、特に後者はフォトグラファーゆえ大いにインスピレーションを頂きました。
by blackfacesheep2 | 2019-11-09 05:00 | Lights & Shadows | Comments(16)