ボケパノな廃バス
2017年 06月 27日
定点観測物件、シマシマの廃バスです。
毎年蔓蔦が伸びる季節になると撮っていますが、昨年の初夏はドイツ旅行用に導入した高倍率ズームの試写でしたね。
今年の初夏は、ボケパノ"Bokeh Pano"です♪
このボケパノ、先日の愛知牧場のトラクターたちの写真で初お目見えさせた撮影方法です。
上の写真はボケ写真をつなぎ合わせて作ったパノラマ写真なんですね。
これは一枚目の写真の構成要素の1枚です。
フルフレーム機のNikon D610に、古いMFレンズのAi Nikkor 85mm/F1.4Sを装着し、絞り開放で撮っています。
こんなショットを20枚以上撮って、一枚の写真に合成するんであります♪
でも三脚は要りません・・・手持ちで十分にいけます。
一枚目の写真は、まずこの廃バスの正面写真を撮ってから、露出や焦点距離を変えずに、その下、その右、その上と、逆「の」の字を書くように撮っていき、画面の左下に行ったときに、また上、さらに上と反転しながら一筆書きしていきました。
連続して撮っていく際に、50%ぐらいずつオーバーラップさせて撮っていくのがコツです。
オーバーラップの量は30%ぐらいでもいけるようですが、少なすぎると合成に失敗することがあるようです。
また一筆書きの方法も色々あり、私流の「逆のの字」あまりお勧めではないようです。
「右下から左に行き、端に行ったら上に上がって今度は右へ、そして右端まで逝ったら上に行く」と言う「逆S字蛇行」が多いようですね。
ただ、EXIFのタイムスタンプを見ているようなので、オーバーラップさえきちんと行えば、一筆書きの順番には柔軟性があるようです。
私は画面中央部のシャープなピントが欲しいので、「逆のの字途中反転方式」を愛用しております。
なお、ピントが動くと合成できないので、ヘリコイドが重い昔のMFレンズの方が使いやすいです。
また、明るさが変ると合成したときにムラになりますから、マニュアル露出で固定して撮っています。
ホワイトバランスもAWBだと色味がずれるので、「太陽光」など、好みの色温度を直に指定しまいます。
さて、撮影したあとは写真の合成を行います。
合成用のソフトウェアは、Adobe Photoshop CCやAdobe Lightroom CCなども使いますが、一番お手軽なのは、Microsoftがつくったフリーソフトウェア、Image Composite Editor (ICE) 2.0ですね。
このICEは無料だし、JPGファイルなら高速で合成してくれますので、ボケパノ写真を作る際にはおすすめです。
下記に、このMS-ICE 2.0を使った画像合成方法をご説明します。
まずICEを起動し、左端の"New Panorama from images"をクリックします。
"IMPORT"画面が開きますから、ここで合成したい写真を選択します。
この時は22枚から合成しました。
なお、Camera Motionは"Auto"でも良いですが、後からの補正のやりやすさで、私は”Rotating Motion"を使うことが多いです。
そして、右上の"Next"をクリックします。
"STITCH"画面が開きます。
ここで合成された写真を見られます。
必要に応じて、右側の"Projection"をいじります・・・クリックすると、投影方法が変わり、歪みなどを調整できます。
投影方法が決まったら、右上の”NEXT"をクリックします。
"CROP"画面が開きます。
ここで切り取りができますが、私はトリミングはAdobe Lightroomでやりますので、そのまま右上の"NEXT"を押します。
ちなみにこの時点での画像サイズは20,217x 13,931となり、約280,000,000画素と言う巨大なファイルになります。
”EXPORT"画面が開きます。
右下の"Export to disk"をクリックし、合成画像の保存場所を指定すればできあがりです。
この後、Adobe Lightroomに読み込み、56x69のロクナナ・フォーマットにトリミングし、露出・コントラスト・ビネットなどを調整すると、一枚目の写真ができあがります。
なお、私の所属する写真愛好グループ「全日本味噌煮込写真家協会(全味協)」のドイツ支部長、アムゼル師匠ががFacebook上で、このボケパノ写真のグループをおつくりになりました。
グループ名は「和風ボケパノ」と言います。
「わが国では極めてマイナーなボケ・パノラマ(Bokeh Panorama) 拡散と有志の技術交流のためグループ結成をさせていただきます。ふるって作品を投稿お願いいたします♪」
とのことです♪
このグループは公開なので、Facebookが使える方なら、どなたでも参加いただけます。
ふるってのご参加お待ちしております(^^♪
愛知県豊田市にて
Nikon D610
Ai Nikkor 85mm/F1.4S
Stitched by Microsoft ICE 2.0
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それはそれとして、昨年みよし市におじゃました時の思い出がよみがえります。この廃バスが未来永劫そこにあることを願うばかりです(^^♪
どうなってるのだろう、どうやって撮ったのだろう、と思わせます。
あはは、なかなかボケパノに折伏するのに時間がかかりましたが、今は布教活動に邁進しております。^^;
この廃バス、いつまでここにあるんでしょうねえ・・・実に良い被写体なので、ここで朽ちて行ってほしいです♪
やはり話だけだと分からないと思って、MS-ICEのスクリーンショットを貼ってみました。
このMS-ICEは動きも軽いので、簡単に使えますよ、お勧めです♪
そうなんです、ミニチュア写真風味のボケが持ち味の写真なんですよ。^^
剛性そのものはソフトウェアがやってくれますから、こっちは待つだけでOKです♪
最近のソフトウェアはよくできているので、簡単に合成ができてしまい、驚きます。^^
デジタル時代になってから、写真の楽しみ方は大きく広がっていきますねえ♪
ジオラマ写真もお手軽で良いのですが、やはり本当の光学的なジオラマには負けますね。
大型のカメラを使わなくても、いろいろな方言ができるので、これは楽しいですよ。^^
しかも、MS-ICEのご説明、ありがとうございます!
私も、やる予定でエントリー作成中でした・・・^^;
ボケパノは、デジタル技術を利用しているのですが、デジタルフィルターなどのジオラマ効果とは違いますよね。
例えば1枚目の手前に走って来ている頭の上の電線にピンが来ているところが、ボケパノのリアリティかと思います。
この廃バスの浮き方、やっぱりすごいですね~♪
夏草の猛威を感じます^^;
あはは、スタートするのは遅かったんですが、いきなり盛り上がっております。^^;
そう、ジオラマなどのデジタルフィルター径とは違い、あくまでも光学的なボケだけですよね、これ。^^