2017年 02月 09日

奇妙な果実

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近所の農地で見かけた「奇妙な果実」です。
冬枯れした樹木に、缶コーヒーの空缶が差し込まれていました。
その空缶に書かれた文字はBLACK・・・思わずある歌を思い出してしまいました。

そう、アメリカのJAZZシンガー、ビリー・ホリデイが歌った『奇妙な果実』"Strange Fruit"です。
今から80年近く前、1939年に録音され、アメリカの人種差別を告発する歌として有名です。

 Southern trees bear strange fruit (南部の木には奇妙な果実がなる)
 Blood on the leaves and blood at the root (葉には血が、根にも血を滴たらせ)
 Black bodies swinging in the southern breeze (南部の風に揺らいでいる黒い死体)
 Strange fruit hanging from the poplar trees. (ポプラの木に吊るされている奇妙な果実)
 Pastoral scene of the gallant south (美しい南部の田園に)
 The bulging eyes and the twisted mouth (飛び出した眼、苦痛に歪む口)
 Scent of magnolias sweet and fresh (マグノリアの甘く新鮮な香り)
 Then the sudden smell of burning flesh. (そして不意に 陽に灼ける肉の臭い)
 Here is a fruit for the crows to pluck (カラスに突つかれ)
 For the rain to gather for the wind to suck (雨に打たれ 風に弄ばれ)
 For the sun to rot for the trees to drop (太陽に腐り 落ちていく果実)
 Here is a strange and bitter crop. (奇妙で悲惨な果実)

題名や歌詞の「奇妙な果実」とは、木にぶら下げられた黒人の死体のことでです。
アメリカ合衆国は自由と平等の国のはずですが、人種差別は長い間行われてきました。

Equal Justice Initiativeのレポートは悲惨な事実を紹介しています。
1877~1950年の間、アメリカ南部の12の州で、3959人が人種差別によるリンチ殺人の被害に遭ったそうです。
彼らの多くは、何らかの犯罪を理由に殺された訳ではなく、些細な社会的規則違反や基本権要求を理由に虐殺されたのだとか。

人種差別の矛先は黒人のみならず、アングロサクソン系ではない移民にも向けられました。
1920年の「サッコ・ヴァンゼッティ事件」では、公正さに欠ける審理で二人のイタリア系移民が死刑になりました。
この事件は映画化され、その主題歌がJoan Baezの"Here's to you"『死刑台のメロディ』でした。

1950年代から始まった公民権運動により、ようやく1964年7月2日に公民権法(Civil Rights Act)が制定されました。
これで長年アメリカで続いてきた法の上での人種差別は、終わりを告げることになりました。
でも人種差別が全くなくなったかと言えば、そうでもないようです。

この1月に新しい大統領に変わったばかりのアメリカ合衆国・・・
忌まわしい人種差別的な国にならないよう、心より祈っています。

愛知県みよし市にて
LUMIX DMC-GM5
MITAKON ZHONG YI Speedmaster 25mm f/0.95

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by blackfacesheep2 | 2017-02-09 05:00 | Japanese Landscape | Comments(22)
Commented by j-garden-hirasato at 2017-02-09 06:07
スゴイ歌ですね。
こういう歌を歌わざるを得ないほど、
ひどい人種差別が行わていたということですか。
でも、
いくら法的に整備しても、
人間の本質的な部分なので、
根本的な差別はなくらないのでしょう。
いじめがなくならないように。
Commented by getteng at 2017-02-09 06:41
blackfacesheep2さん
それでblackなんですね!
今でも人種差別といえば米国が一番でしょう。
アカデミ-ショウでも毎年白黒対決で裏もめしています。
我が国も激しい方かも?
Commented by blackfacesheep2 at 2017-02-09 08:06
j-garden-hirasatoさん、こんにちは。^^
奴隷制度などというおぞましい制度があった、というのが驚きです。
日本とは違う歴史と文化を持った国なんですね。
Commented by blackfacesheep2 at 2017-02-09 08:09
gettengさん、こんにちは。^^
「奇妙な果実」だと言うだけでも驚きなのに、それがBLACKとは・・・悪意を感じるいたずらでしたね。
人種差別、実は韓国や中国も凄いです、中国じゃチベットやウイグルの人たちを21世紀の今もリンチしてます。
Commented by London Caller at 2017-02-09 08:27 x
人種差別って日本ではかなり珍しいことでしょうね。^^;
99.99%日本人の島国にとって民族主義たぶんないかもしれないと思います。

多民族国家、たとえば、マレーシア、これは頭が痛い問題です。マレーシアの「5月13日事件」を聞いたことがありますか?その結果はブミプトラ政策の導入が行なわれました。つまりマレー人優先政策です。

これ全部イギリス人のせいかもしれません。^^;
イギリスから独立後インド・パキスタン、イスラエル・パレスチナも問題いっぱいですね。
アメリカももちろんです。
Commented by voyagers-x at 2017-02-09 09:20

おはようございます ! !

”「奇妙な果実」とは、木にぶら下げられた黒人の死体のことでです。”
あー、異様な光景が頭の中に浮かんできます
少し前にYouTube動画を見ていて、ふと公開処刑というキーワードを入れたことがあります
堂々と首切りの動画乗っていたりします
本当に生きてる人間が首切られて血が出て、なんだか本当の人間なのか人形なのか
人間ってあっけなく死んでしまうなと無念で悲しい気持ちを感じました

Commented by ペンタスキー at 2017-02-09 12:26 x
こんにちは。
この空き缶は誰が、何のために差したんでしょうね?!
建築現場などでは鉄筋に空き缶などを差しているのを見ますが、
この写真の様なのは初めて見ました。

人種差別、嫌ですね。
子供の頃、「荒野の少年イサム」という漫画があり、
西部劇が好きだった私はコミック本も全巻買って読み漁りました。
でも、黒人やインディアンへの差別のことも描写されていて、
黒人を奴隷として扱っていたり、インディアンと白人の戦争があったり・・・
そういった描写の部分は、信じられないと思いながら読んでいました。
これからのアメリカ、どうなっちゃうんでしょうね?
Commented by blackfacesheep2 at 2017-02-09 12:30
London Callerさん、こんにちは。^^
マレーシアは中国系、インド系、マレー系でしたっけ・・・マレー系優遇だと問題がおきるでしょうね。
そう・・・大英帝国の植民地政策は、後の時代に大きな問題を残したような気がします。
Commented by blackfacesheep2 at 2017-02-09 12:33
voyagers-xさん、こんにちは。
いまだに公開処刑をやっている国があるんですよね・・・犯罪を防ぐため、と言う理由で。
人間って基本的に残虐なのか・・・性悪説は信じたくないんですが、恐ろしいことがたくさんあります。
Commented by blackfacesheep2 at 2017-02-09 12:35
ペンタスキーさん、こんにちは。^^
そうなんですよ、この空き缶を指したのは誰なのか、その目的は何だったのか・・・つい考えちゃいました。
昔は、世界が小さかったから、異質なものは見慣れておらず、結果として迫害してしまったんでしょうね。
Commented by sternenlied2 at 2017-02-09 15:32
今回はいつもと違ったテーマですね。
こちらでも枝に妙なものが掛けてある時がありますが、Blackの空缶とは。
掛けた人はただ単に飲んだ後の缶をいたずら心で掛けただけなのかもしれませんが、
それを見かけた黒顔羊さんが「奇妙な果実」だと思われ、そこから
ビリー・ホリデイの黒人差別を歌った歌を連想されるというところが奥深く感じられます。
今でも人種差別は行われているとしても、マーティン・ルーサー・キング牧師や
その他の名の残っていない大勢の人が自らを犠牲にして築き上げてきた
人種差別撤廃の動きをせき止めさせてはならないですね。
でも先日訪れたイタリア人の友達(男性の方)が言ってましたけど、
アメリカは大統領に黒人を選ぶまでこぎつけていたけれど、
女性を大統領に受け入れる意識はまだできていないのだと。。
Commented by いちご at 2017-02-09 16:23 x
こんにちは。
木に缶が・・・ほんと、遠~く離れたところから見てると
何か果実が?って思ってしまうかもしれませんよね。
昔、自宅にあった果実の木を切った時に切り口が雨に濡れるといけないから、と、ミカンの缶詰の空き缶をかぶせていました!
何で切り口が濡れたらいけなかったのか?昔も今も分かりません!
このお写真の木もそういう理由?かしら??
Commented by margueri1 at 2017-02-09 18:17
こんばんは。
ビリー・ホリデイは、切実にこの歌を通して、
人種差別を訴えていたのでしょうね。
ジャズは、黒人の魂が根本にあり、
この歌は、彼女以外の誰にも歌えないものだと感じていました。
木に掛けられた缶、本当にこの歌を連想させられますね。
Commented by blackfacesheep2 at 2017-02-09 19:36
星の歌さん、こんにちは。^^
アメリカの良いところは多様性、寛容性だと思うんですが、それが失われて行くのは見ていて辛いですね。
今後どんな国になっていくのか・・・目が離せません。
Commented by blackfacesheep2 at 2017-02-09 19:38
いちごさん、こんいちは。^^
これを見たときは本当にびっくりしました・・・まさしく、奇妙な果実そのものでしたもんね。
果実の樹を切った時の切り口を見て、痛々しいとお感じになったんでしょうね、優しい苺さんらしいお話です。^^
Commented by blackfacesheep2 at 2017-02-09 19:42
Maruさん、こんにちは。^^
ビリー・ホリデイは人種差別がひどかった時代を生きてましたから、相当な覚悟でこれを歌ったんだと思います。
Mal WaldronのLeft Aloneを聴くと、まさしくBilly Holidayを失った悲しさがひしひしと伝わってきますね。
Commented by 皐月の樹 at 2017-02-09 20:37 x
これは・・・いたずらなのでしょうかね?
だとしたら、それを意図的にしていたとしたら、非常に悲しいですね。
この曲、初めて聞きました。
凄まじい歌詞に、背筋が凍りますね。
大航海時代を経て、世界中でなされて来たアフリカ系の人達への奴隷扱い、人種差別・・・400年もの間続いてきました。
まだ終わろうとしておりません。
一体いつになったら・・・互いに人種を尊重できるようになるのか。
Commented by blackfacesheep2 at 2017-02-09 22:10
皐月の樹さん、こんにちは。^^
ほとんど人影を見ないみよし市の農地ですから、人種差別を意識してやっているということは、なさそうです。
でも、こういう恐ろしい偶然があると驚きますよ、ついエントリを書いてしまいたくなりました。
Commented by hoshigaoka at 2017-02-09 22:52 x
こんばんは!

自由と平等の国と言われるアメリカで
ほんの数十年前まで酷い黒人差別の暗黒史が続いてたんですよね。
レストランもトイレも別々だったなんて信じられません。
差別は人間の本能なのか、根深い問題だと思います。

子供の頃に映画音楽とかもよく聞いていましたので
死刑台のメロディーの曲は知っていましたけど
内容は冤罪事件だったんですね。
警察も司法も無法状態、こんな恐ろしいことはないですね。
Commented by iwamoto at 2017-02-10 08:29 x
奴隷を解放したのって、共和党なんですよね・・・。
Commented by blackfacesheep2 at 2017-02-10 20:30
hoshigaokaさん、こんにちは。^^
モダンジャズの黄金時代の1950年代は、まだまだ人種差別の真っ只中だったようですね。
来日したアート・ブレイキーと記念写真を一緒に撮ろうとした人が、「俺は黒人だけど、それでも一緒に写真を撮りたいのか」と言われて愕然とした、とどこかで読んだ気がします。
Commented by blackfacesheep2 at 2017-02-10 20:33
iwamotoさん、こんにちは。
共和党ってもともとは奴隷制に反対するために作られたらしいですね。
エイブラハム・リンカーンは、アメリカ合衆国最初の共和党所属の大統領、とWikipedeiaに書いてありました。


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